パースがまた地方指定地域となると聞いたのですが、就職にはどのような 影響がありますか?
まず状況を整理しましょう。とても分かりにくいです。(笑)
パースは2010年9月~2017年3月まで、ビザの申請において地方指定地域(Regional Area)となっていました。その当時はRSMS(Regional Sponsored Migration Scheme)という、地方スポンサービザにて永住権の申請が叶いましたが、これが前回号のビザコラムでPilippoさんが執筆されていたSubclass494等に変更となります。これに加えてパースが地方指定地域に同じ11月16日から戻る事により、パース市内でも申請可能な永住権のビザが増える、というのが今回のニュースの概略です。
ちょうどこの号が出る頃に施行となりますので、まだこの記事を書いている段階では変化はありませんが、正直あまり就職に大きな変化はない、と予測しています。
その理由としては、元々RSMSは人が集まりにくい、地方地域の人口増加をサポートする目的もありました。それゆえ基準は緩く、申請対象職種もビジネスビザなどに比べて圧倒的に多く、その地域で仕事が見つかって英語力基準を満たせば極力そこで定住してもらう事で永住権の取得となったと解釈しています。しかしながら、今回の地方指定においては、そのRSMSではなく、Subclass494が対象となるため、対象職種は以前よりも限定的、かつ職歴を求められる事、という2点はとても大きな違いです。
よって永住権をスポンサーしたい、という会社やレストランがあったとしても、3年前までと比べてビザの基準と合致しにくいとなる事が予測されるため、最も恩恵を受ける人はROL(Regional Occupation List)に掲載されている職種の方になるでしょう。
近年パースは人口の増加が思わしくなく、他都市から隔離された都市は一気に人口が減少するリスクもあるため、政府として、てこ入れをしないと、という考えの結果でしょう。
一見すると、また前のような状況になるのでは!と期待を抱く方も少なくないと思いますし、メリットがない訳ではありませんが、現実的にはそのイメージを利用した誘致プロモーションの印象は否めません。